厚生労働省が「患者のための薬局ビジョン」を策定し、それに基づく認定制度の創設や診療報酬改定が実施されてから、6年経過し調剤薬局の在り方は大きく変わりつつあります。
本来の医薬分業に対する厚生労働省の基本的な考え方は、
薬局の薬剤師が専門性を発揮して、ICTも活用し、患者様の服薬情報の一元的・継続的な把握と薬学的管理・指導を実施し、多剤・重複投薬の防止や残薬解消への対応により、患者の薬物療法の安全性・有効性の向上と医療費の適正化を図ることでしたが、現状では多くの患者様は、門前薬局で薬を受け取っており、かかりつけ薬局に行くことは少ないと思います。
厚生労働省はその中で、ビジョンを実現するために強く推進しているのが、『健康サポート薬局』、『地域連携薬局』、『専門医療機関連携薬局』です。
特に健康サポート薬局は、厚生労働省が掲げている『2025年までに全ての薬局をかかりつけ薬局へ』の薬局編成の核であり、2021年8月時点で届け出をされている薬局は2,500店を超えています。
また2025年は『2025年問題』とも言われており、75歳を超える後期高齢者が2,100万人を超える年でもあります。年金問題と共に医療費削減が目下の課題である日本にとっては、
今後さらに医療業界に対して締め付けが強くなることが予測されます。
2022年の調剤報酬改定の全容が見えない中で、薬剤師の対物業務から対人業務へのシフトチェンジ、24時間対応・在宅対応、医療機関との連携、ICTを活用した服薬情報の一元的・継続的把握、オンライン服薬指導等と取り組むべきことが多々あります。
大手調剤薬局のように人材や資金がある企業の場合、厚生労働省の指針に従い対応することは可能ですが、それ以外の企業は求められている全てに対応することは可能でしょうか?
生き残りをかけて、どこに人材と資金を注ぎ込むのかがこれからの課題になってくると考えられます。